もしも、新城市から農業がなくなったなら

2019.04.26

第4期若者議会

みなさんこんにちは!

第4期若者議会委員の峯田恵太です。


突然ですが、奥三河の特産品といったら何が思い浮かびますか?

野菜ならトマトや天狗なす、果物ならイチゴ(いやイチゴは野菜か…)や巨峰、鳳来牛や東栄チキンなどの畜産も挙げられますね。

今回はそんな、特産品をつくる農家さんを支援し、奥三河の農業の発展に尽力なさっている愛知東農業協同組合(農協)さんにインタビューをしてきました!

私と鈴木委員で海野文貴組合長にお会いし、奥三河の農業の取り組みや特色、課題など様々なことをお聞きしました。





“オンリーワン”を目指す


峯田

「まずはじめに、農業のやり方について昔と比べてどのような変化があったのですか?」


海野組合長

「昔に比べて、いまでは機械化により効率的な農業が可能になりました。そのため、欧米などでは広い面積で所得を目的とした大規模な農業が主流となっています。」


峯田

「 “広い面積による大規模な農業”。土地の約80%が山林の奥三河では致命的な手法ですね💦

当然、広大な土地を持つ地域には生産量で勝てるはずがありません…。では、どのような手法でやっていけばよいのでしょうか」


海野組合長

「“オンリーワンの農業を目指す”ことが大切です。オンリーワンとは、他にはないこの地域の強みを生かして農業をやっていくということです。例えば、標高差を利用して、作物を穫るタイミングをずらします。そうすることで、そのシーズンでは穫れない作物を出荷することができ、価値の高いものにすることができます。

 ここでしかできないことを売りにして、農産物の価値を高める。それこそが“オンリーワンの農業”です。」


 地域の特色をうまく生かして、他にはできないことをする。大規模農業に対抗するために知恵を絞ったこの手法には、目からウロコが止まりません!




助け合う農業

 

峯田

「“協同”とは、複数の人や団体が力を合わせて物事を行うことです。そんな“協同”の名を持つ農協ですが、どのように協同しているのですか?」


海野組合長

「一人では収穫できる量がどうしても限られてしまいます。そのため、農協ではたくさんの農家の協同によって安定した生産を保っています。多くの農家が協力して収穫したものを合わせれば、出荷量が安定し、市場の信頼を得ることができるのです。

 つくしんぼうの会では、特産品を使ったさまざまな加工食品を開発していますし、子供たちが農業体験できる機会として『こども農学校』も行なっています。

 農業を通じて、組合員と地域を良くしていきたい、それが私たちの思いです。」


一人一人の力は小さいけれど、集まって助け合うことで大きなものにする、それが農協の在り方なんだと感じました。

 このように農協では様々な形で地域との連携を行なってます。





もしも、新城市から農業がなくなったら


峯田 

「これからの新城市はどのようになっていったらよいのでしょうか」


海野組合長

「高齢化地域に若者が入ることで農業の発展につなげる、そうすることで持続できる地域をつくっていくことが大切だと思います。

もし、誰も農業をやらなくなったら新城市はどうなると思いますか?

 世界で食糧不足が進む中、輸入に頼ってばかりいるわけにもいきません。食べ物をつくる大切な地元の農業を守っていくことが大事です。そのためには、都市部への販売も大切ですが、地産地消を通して、地域の人が地元農産物を食べていただけるようにするのが、何よりだと思います。」




わたしたちにできること


 最後に、この地域の農業を理解し、食べていただける農業を目指すために、わたしたち市民になにができるかという問いに対して海野組合長は、まずは地域の食・農業に興味を持ってもらいたいとおっしゃっていました。 

 

というわけでみなさん、今日から食事のときに、この野菜は地元でとれた野菜かな、なんて考えながら食べるのはいかがでしょうか?