HP開設記念 元SKE48・磯原杏華さんインタビュー前編
2016.04.07
5つのメディアを駆使! 先端をいくアイドルは“広報力”もやっぱり最先端だった
新城市の若者をとりまく様々な問題を議論するとともに、若者の力を活かすまちづくりを推進する活動を行ってきた「新城市若者議会」。2016年2月からは、この取り組みを県内外へ広くPRするために、あらたに広報チームを立ち上げました。
この機会に同チームの広報力を高めたいという思いのもと、今回は元SKE48で、新城市にもご縁があるという磯原杏華さんに、SNSでの情報発信など、アイドルとして培ったノウハウをお伺いしてきました。
同世代の参加によって“難しい”イメージは払拭できる
長坂明日香(以下、長坂):この3月に新城市若者議会のホームページも完成し、これからはネットでも積極的に広報活動を行っていきたいと考えています。その記念すべき第1回目に、新城にゆかりがあり、私たちとも同世代の磯原さんにご登場いただけて、とてもうれしく思っています。
磯原杏華さん(以下、磯原さん):おばあちゃんの家が新城にあって、定期的に訪れています。実は先週も行ったばかりで(笑)。両親が新城市出身なので、普通に三河弁も話しますし、私にとっては第2の故郷という感じです。本当によく帰っていますね。
長坂:現在、若者議会は定員20名、全6チーム、16歳以上30歳以下で構成されています。若者がやりたい政策を提案して、それを市長に答申することが目標です。私は、「広報チーム」に所属しており、新城市を全国に宣伝していくために、ポスター撮影などに挑戦してみたりもしました。 http://wakamono-gikai.jp/poster/
(ポスターの案を見せる)
磯原さん:すごいですね! 新城市に若者議会があることは知らなかったのですが、今回の機会をいただけて調べてみたら、本当に色んなことに挑戦していらっしゃるんだなって思いました。
やっぱり政治って「難しい」イメージが先行しちゃうし、私は今19歳ですが、それに同世代の子たちが取り組んでいたら、他の人たちも興味を持ちやすいと思います。若者議会のような取り組みがもっと広まったらいいですね。
ブログには真面目な長文 メールにはプライベート感
長坂:今年6月に選挙権が満18歳以上に引き下げられますし、新城市若者議会が「若者の政治参加」の先駆けとなっていけたらいいなと考えています。ただ、情報発信ってやはり難しいとも感じていて、今日は“発信力”という点でも何かヒントをいただけたらと思います。
磯原さんはSKE48で活動されていたとき、アイドルという職業を通して、ファンの人たちにどう投げかけたらどう応えてくれるかなどを経験されてきたと思います。その際、とくに意識されていたことはありますか?
磯原さん:私はブログやTwitterなど、合計5つほどのツールを活用して情報発信していましたが、基本的にはそれぞれチェックしてくださるのは違う方たちと考えていました。もちろん、全部を見てくださる方もいらっしゃるのですが、それってすごく時間がかかるし大変なことなので、1つ見ていただけるだけで十分すごいことだと思って。
どれか1つを見てくださる方も、5つ全部を見てくれてる方も、両方を飽きさせないために、ブログだからこういう内容に、メールだからこういう内容にと、ツールによって特別な情報は少しずつ変えながら、そのツールの特性を活用することを意識していました。
例えば、ブログは長文が書けるから、真面目なことを書くときはブログにしたり、メールは登録してくださっている方の携帯に直接届くものなので、それならちょっとプライベートな感じを見せてみたり、それぞれのツールのメリットを把握して、そのメリットを活かしています。
何度も見直し、時間をかけた「Google+」の投稿
前田朝陽(以下、前田):1月末にSKE48を卒業されたあと、個人のTwitterアカウントを作成されて約2ヶ月でフォロワーが1万2千人を超えられていて(2016年3月末時点)、すごいと思いました。
培われてきた発信力がやっぱり違うと思うのですが、SKEのメンバー同士でも情報発信について話し合ったりされていましたか?
磯原さん:メンバーそれぞれの発信ツールの活用法について聞くことはありました。それに、ツールも最初から5つ与えられたわけではなくて、順番に増えていったものなので、最初はそれぞれのツールに1つひとつ慣れていくことが肝心だと思います。
長坂:ネットでの情報発信は、一歩間違えると“炎上”の可能性もありますよね。磯原さんもこれを言ってしまったら、ファンの方にどういう反応されるか、心配したようなことはありましたか?
磯原さん:炎上しやすい内容ってやっぱりあるし、そのおそれがある場合は言葉をよく選んで書いていました。言葉の選び方1つ変えるだけで、与えられる印象は大きく変わります。
何かに対して批判的に書きたいときは、言葉に気をつけつつ、その良い部分も認めながらやるとかしないと、ただ否定的なだけの人になっちゃいます。ただ、オブラートに包みすぎると、結局何が言いたいのか分からなくなります。そうならないように、言いたいことをちょっとだけはっきりさせながらも、その他の部分を角のないようにしています。
長坂:それが如実にわかるのが、秋元康さんも称賛していたGoogle+での磯原さんの投稿ですよね。思うように劇場公演に出演できない研究生に対して、磯原さんの研究生時代を振り返りながら率直な想いを書かれていました。
研究生やファンの皆さんに気を配りながらも、しっかりと自分の発言をしていらっしゃっていて、そのバランス感覚がすごく素敵だと思いました。
磯原さん:あれは本当に考えました、かなり時間をかけて書きましたね。ネットでの情報発信は永久的に載ってしまうので、文章は投稿する前に何度も見直した方がいいと思います。
他ジャンルや更新頻度にも注意 接触ポイントをとにかく増やそう!
長坂:広報活動で一番の難しいことの1つは、全く自分たちに関心のない人にも知ってもらって、巻き込んでいくことだと思います。磯原さんご自身、こういう風にやったらうまくいったというご経験はありますか?
磯原さん:SKEの場合、メンバーが多いので、その分メンバーごとにファンの方がいらっしゃいます。自分のファンの方を大切にするのはもちろんですが、発信するときに他のメンバーのことにも触れることで、自分のファン以外の方にも自分の投稿を見ていただくことができるわけです。
この若者議会のなかでも色々なミッションがあると思うんですけど、自分が参加している分野も大切にしつつ、それにちょっとでも関連する要素があれば、他の分野でもどんどんアピールをしていくことで、さらに知ってもらえるチャンスが増えるかなと思います。
長坂:ホームベースは守りつつ、そこから関連づけて少しずつでも広げていくんですね。あとは、やっぱり「続ける」ことが大事でしょうか?
磯原さん:そうですね。このインタビュー企画も、1ヶ月に1回だと大変だと思うんですけど、例えば「3ヶ月に1回」って決めて、そのペースを守れたら、「じゃあ、また見てみよう」といった読まれ方も広がるかもしれないし。
ブログやFacebookの更新頻度は一定にすることで、チェックしてくれる人は増えると思います。Twitterのように更新頻度が多めのツールだったら、「朝起きて読む」みたいに習慣づけてもらえたりしたらすごくいいですよね。
《インタビュー後記》
アイドルというと、ファンがその成長を見守るものというイメージがありました。でも、今回お話を伺って、自己プロデュースにとどまらず、様々なメディアツールのメリットを理解して、1番良い形で読み手(ファン)に情報を届ける。そんな磯原さんの細やかで、能動的な姿勢に学ぶことは大変多かったです。これからの若者議会での広報活動にも、ぜひ活かしていきたいと思います。
磯原 杏華(いそはら きょうか)
元SKE48のメンバー。1996年生まれの19歳。
愛知県出身で、親戚が住むなど新城市と深い関わりを持つ。
7年に渡りSKE48の主要メンバーとして活躍し、2016年1月をもって卒業。
現在は次なる夢に向けて準備中。