若者議会シンポジウム報告(中編)
2017.03.21
「皆様、こんにちは!
若者議会市外委員・広報PRチームの中谷裕次(チュン)です。
3月にも入ったので、早く温かくなって欲しいです!
さてさて、前回に引き続き、2月11日に新城市で開催された、
総務省主権者教育普及実践事業の委託事業である
『若者議会シンポジウム』のご報告(中編)をさせて頂きたく思います。
ここで、嬉しい報告がありました!
なんと、月刊ガバナンスの今月号(3月号)のTopic(p89-91)に、
本シンポジウムの内容が、3ページにわたり特集されています!!
さて、本シンポジウムは二部構成であり、下記のプログラムとなっております。
第一部
①あいさつ
②若者議会発表
③基調講演(東京大学大学院 教育研究科 小玉教授)
④パネルディスカッション
参加者数:約180名程度(若者議会委員含む)
第二部
①ワークショップ
・課題検討
・解決策検討
②若者宣言2017
③若者宣言表彰式
参加者数:約130名程度(若者議会委員含む)
前編では、第一部の①、②まで、ご報告させて頂きましたので、
中編では、第一部の③、④のご報告になります。
後日、後編では、第二部のご報告をさせて頂く予定です。
③基調講演(東京大学大学院 教育研究科 小玉教授)
基調講演は、東京大学大学院 教育研究科の小玉教授にご講演頂きました。
テーマは「主権者教育の重要性と新城市若者議会の意義」についてです。
今年から、東京大学の教育機関と若者議会で連携を少しづつ進めており、
3/26には先方が東京大学で開催する「アクティブラーナーズ サミット」に、
若者議会が招待され、発表を致します。
今回、小玉教授からは、
「シティズンシップ(市民性)」=
「市民が政治に参加する、アマチュアの政治参加者を育てる」
っという、意味を含んでいる事や、
昨年ヒットした、「新ゴジラ」や「君の名は」を題材にして、
①一人の人間が、いくつかの世界を行き来していること
②若者議会委員は、普段と委員の時では姿が大きく異なること
③バーチャルでなく現実そのものに、複数の可能性を持っていることを示唆している
そして、
【若者議会の現代社会での意味として】
① 若者に政治を取り戻す
②「現実の世界(学校の外)」と「可能性の世界(学校の中)」の橋渡しをしている
【まとめ】
若者議会の意義は、学校の中で行われているバーチャルな世界(可能性を提供)から、
学校の外で行われている実社会の世界(現実に動いている世界)を相互に行き来することを可能としている。
④パネルディスカッション
さてさて、お待ちかねのパネルディスカッションでは、
「若者がまちを変えられるのか」というテーマで、
下記の方々にご登壇頂きました。
コーディネーター
田中 智輝氏 (東京大学大学総合教育研究センター 特任研究員)
パネリスト
・小玉 重夫氏 (東京大学大学院教育研究科 教授)
・赤塚 緑氏 (吹浦まちづくりセンター 事務員/ 遊佐町少年議会出身)
・土肥 潤也氏 (NPO法人わかものまち静岡 代表理事)
・山崎 ランサム 窓香氏 (第2期新城市若者議会)
赤塚氏:
若者は経験が浅いので、見通しの甘さがあり、
それを大人の方々にサポートして頂いていたことから、
企画・提案の場では、その部分で難しい事があった。
若者は『これが出来なくても、これなら出来る!』と考えることに対して、
大人は『こうでなければならない。』という事を言われる。
若者が提案しても、大人からすると期待や関心があまりない.....
そういう、経験もありました。
しかし、商店街のカフェの運営をする機会があり、
若者が掃除から、メニューの提案等まで行っている様子を、直に町民の方々と連携し接する事で、
ボランティアの延長線上でしてるレベルではなく、町のことを若者がきちんと考えていることに、大きな理解をもってもらえた。
土肥氏:
大人から若者に対して「頑張ってるね」って、いわれている事は、
そもそも対等に見てもらっていない感じを受ける。
常に縦の関係の中で見られる。政策提言しても、真面目に受け止めて頂きにくい事もあり、
「それ、いいね!!」と言われても、実際に政策提言が担保されていない。
だから、主導権を如何に若者に移していけるのか。若者が主体で動いていることが大切。
山崎氏:
若者が政治に参加することが、真剣に捉えられていない。
『これ、市役所の人が考えたの?』って、大人から言われ、戸惑うこともあった。
いや、当然、自分達(若者)で考えたんですけど.....
新城市の教育委員会と話をしたが、教育の提案をしたが、先方からは
『綿密にカリキュラムを組んでいるので迷惑でしかない.....だが、アイデアは分かる!』
っと言ってもらえた。
時間をかけて進めていく事が大切と感じた。
田中氏:
これらは、若者は大人の真似をしない、アマチュアとしての強さをむしろ活かすことが重要である。
赤塚氏:
まちが若者の意見を重用視するようになった。
少年議会にも、意見をくれるようになった。
次第に町内の大人から、若い人と何かする時に、
「だれに、どこに声をかかればいいか分からない!?」
「じゃー少年議会に声をかけてみよう!!」
そういう存在になっていった。
まちのシンボルが欲しいときは、少年議会が手がけて『まちのキャラクター』を作った!
ストーリー性があると、まちとしても発信しやすい。
時間と共に少年議会の認知度も町の中で向上し、若者も町民の一員なんだと、認知さてた!
土肥氏:
自分達のことを自分で決めていいんだという、認識です。
高校の出前授業を行ったことがあります。
自分達のことを自分でつくることが出来る新しさを感じました。
例えば、
『学校の文句を言いまくる授業!』をしたことがあったのですが、
皆が「自分の思っていることを外に伝える事をしてよい」と、
いう事の気付きや実感ができた。
学校内や家等、身近で意思決定をすることが若者に大きな変化をもたらす!
大人側は変化をするのに時間がかかる。
遊佐町は10年以上経っているが、私たちはまだ数年なので、
その変化が表立ってまだ、見えにくい。
山崎氏:
自分は、新城のことを知った気になっていたが、
新城のことを全然知らなかったんだ!?
新城の良いところ、課題も色々と見えてきた。
普通の高校生では出来ない経験や出会いがいっぱい。
引き継ぎをすることも、大変。継続も大変。
第一期若者議会の政策を、第二期の自分達が考え、アイデアを出し実行していく。
そして、来期の政策も同時に考え行動する!!
そういう経験や刺激から、視野も広がった。
小玉教授:
赤塚さんの既存の価値観に縛られていないことが、良いですね。
新しいモノを生み出せる存在、予想をいい意味で裏切れることが若者は可能。
既存価値観に対して、新しい存在によって世の中を創っていく。
教育政策にも、若者が入ってくる。
そうなれば、大人側から主導権が奪われることに怖さを感じる。
それによる、不安がでるのも事実である。
土肥氏:
学校側から地域活動を縛るような事も多い。
先生に許可証を貰わなければ、地域活動がダメとかあった。
学校全体として見た時に、政治家や政党に引き込まれるんじゃないか??
そういうことを、誤解によって不安視する問題点も挙げられていた。
長野県では、これを解決できる事例があり、
三種協議会という、「地域の方」と「PTA」と「学校の先生」で連携することで、
上手く連携して理解を深めていてる。
赤塚氏:
遊佐町は地域参加するのが、元々積極的な場所である。
こどもの時から、如何にも政治っということに、結びつけるのは厳しい。
自分達のまちについての愛着心や想いがあるが伝える、意見を言える場や手段がない。
当時は選挙権が10代はなく、そういうフラストレーションがあったときに、
少年議会という話をもらった。
ただ、先生の話を聞くだけでなく、
自分達の考えを「話し合う場」・「議論する場」・「聞く場」。
そういう場が必要であった。
田中氏:
アクティブラーニングや新しい大学の入試開発のように、
先に何か『良いモノ』を設定するのでなく、
若者が新しい可能性を常に描き直していき、
それを現実に繋げていく事が時代として求められている。
しかし、学校のシステムが時代に追いついていない。
その為には、必ず若者の力が必要となってきますね。
小玉教授:
学校の先生自体が今は、「教える存在」から「橋渡しの存在」に変わってきている。
山崎さんの言っているような、若者の話を先生が聞いて議論して勧めていく時代になっていくので、
是非、山崎さんには頑張って頂きたいなと思います。
パネルディスカッションでは、地域で実際に活動している最先端の経験者が語ることによって、
実践的なことばかりであり、直ぐにでも、取り入れたいと思うような話ばかりでした。
以上、後編に続く.....
若者議会市外委員・広報PRチームの中谷裕次(チュン)です。
3月にも入ったので、早く温かくなって欲しいです!
さてさて、前回に引き続き、2月11日に新城市で開催された、
総務省主権者教育普及実践事業の委託事業である
『若者議会シンポジウム』のご報告(中編)をさせて頂きたく思います。
ここで、嬉しい報告がありました!
なんと、月刊ガバナンスの今月号(3月号)のTopic(p89-91)に、
本シンポジウムの内容が、3ページにわたり特集されています!!
是非、ご興味のある方は、お手に取ってご覧になって頂けると幸いです。
さて、本シンポジウムは二部構成であり、下記のプログラムとなっております。
第一部
①あいさつ
②若者議会発表
③基調講演(東京大学大学院 教育研究科 小玉教授)
④パネルディスカッション
参加者数:約180名程度(若者議会委員含む)
第二部
①ワークショップ
・課題検討
・解決策検討
②若者宣言2017
③若者宣言表彰式
参加者数:約130名程度(若者議会委員含む)
前編では、第一部の①、②まで、ご報告させて頂きましたので、
中編では、第一部の③、④のご報告になります。
後日、後編では、第二部のご報告をさせて頂く予定です。
③基調講演(東京大学大学院 教育研究科 小玉教授)
(ご講演:小玉重夫教授)
基調講演は、東京大学大学院 教育研究科の小玉教授にご講演頂きました。
テーマは「主権者教育の重要性と新城市若者議会の意義」についてです。
今年から、東京大学の教育機関と若者議会で連携を少しづつ進めており、
3/26には先方が東京大学で開催する「アクティブラーナーズ サミット」に、
若者議会が招待され、発表を致します。
今回、小玉教授からは、
「シティズンシップ(市民性)」=
「市民が政治に参加する、アマチュアの政治参加者を育てる」
っという、意味を含んでいる事や、
昨年ヒットした、「新ゴジラ」や「君の名は」を題材にして、
①一人の人間が、いくつかの世界を行き来していること
②若者議会委員は、普段と委員の時では姿が大きく異なること
③バーチャルでなく現実そのものに、複数の可能性を持っていることを示唆している
そして、
【若者議会の現代社会での意味として】
① 若者に政治を取り戻す
②「現実の世界(学校の外)」と「可能性の世界(学校の中)」の橋渡しをしている
【まとめ】
若者議会の意義は、学校の中で行われているバーチャルな世界(可能性を提供)から、
学校の外で行われている実社会の世界(現実に動いている世界)を相互に行き来することを可能としている。
④パネルディスカッション
さてさて、お待ちかねのパネルディスカッションでは、
「若者がまちを変えられるのか」というテーマで、
下記の方々にご登壇頂きました。
コーディネーター
田中 智輝氏 (東京大学大学総合教育研究センター 特任研究員)
パネリスト
・小玉 重夫氏 (東京大学大学院教育研究科 教授)
・赤塚 緑氏 (吹浦まちづくりセンター 事務員/ 遊佐町少年議会出身)
・土肥 潤也氏 (NPO法人わかものまち静岡 代表理事)
・山崎 ランサム 窓香氏 (第2期新城市若者議会)
【『ハードルの高かったこと』について】
赤塚氏:
若者は経験が浅いので、見通しの甘さがあり、
それを大人の方々にサポートして頂いていたことから、
企画・提案の場では、その部分で難しい事があった。
若者は『これが出来なくても、これなら出来る!』と考えることに対して、
大人は『こうでなければならない。』という事を言われる。
若者が提案しても、大人からすると期待や関心があまりない.....
そういう、経験もありました。
しかし、商店街のカフェの運営をする機会があり、
若者が掃除から、メニューの提案等まで行っている様子を、直に町民の方々と連携し接する事で、
ボランティアの延長線上でしてるレベルではなく、町のことを若者がきちんと考えていることに、大きな理解をもってもらえた。
土肥氏:
大人から若者に対して「頑張ってるね」って、いわれている事は、
そもそも対等に見てもらっていない感じを受ける。
常に縦の関係の中で見られる。政策提言しても、真面目に受け止めて頂きにくい事もあり、
「それ、いいね!!」と言われても、実際に政策提言が担保されていない。
だから、主導権を如何に若者に移していけるのか。若者が主体で動いていることが大切。
山崎氏:
若者が政治に参加することが、真剣に捉えられていない。
『これ、市役所の人が考えたの?』って、大人から言われ、戸惑うこともあった。
いや、当然、自分達(若者)で考えたんですけど.....
新城市の教育委員会と話をしたが、教育の提案をしたが、先方からは
『綿密にカリキュラムを組んでいるので迷惑でしかない.....だが、アイデアは分かる!』
っと言ってもらえた。
時間をかけて進めていく事が大切と感じた。
田中氏:
これらは、若者は大人の真似をしない、アマチュアとしての強さをむしろ活かすことが重要である。
【まちづくりの中で変ってきたり、今後の可能性について】
赤塚氏:
まちが若者の意見を重用視するようになった。
少年議会にも、意見をくれるようになった。
次第に町内の大人から、若い人と何かする時に、
「だれに、どこに声をかかればいいか分からない!?」
「じゃー少年議会に声をかけてみよう!!」
そういう存在になっていった。
まちのシンボルが欲しいときは、少年議会が手がけて『まちのキャラクター』を作った!
ストーリー性があると、まちとしても発信しやすい。
時間と共に少年議会の認知度も町の中で向上し、若者も町民の一員なんだと、認知さてた!
土肥氏:
自分達のことを自分で決めていいんだという、認識です。
高校の出前授業を行ったことがあります。
自分達のことを自分でつくることが出来る新しさを感じました。
例えば、
『学校の文句を言いまくる授業!』をしたことがあったのですが、
皆が「自分の思っていることを外に伝える事をしてよい」と、
いう事の気付きや実感ができた。
学校内や家等、身近で意思決定をすることが若者に大きな変化をもたらす!
大人側は変化をするのに時間がかかる。
遊佐町は10年以上経っているが、私たちはまだ数年なので、
その変化が表立ってまだ、見えにくい。
山崎氏:
自分は、新城のことを知った気になっていたが、
新城のことを全然知らなかったんだ!?
新城の良いところ、課題も色々と見えてきた。
普通の高校生では出来ない経験や出会いがいっぱい。
引き継ぎをすることも、大変。継続も大変。
第一期若者議会の政策を、第二期の自分達が考え、アイデアを出し実行していく。
そして、来期の政策も同時に考え行動する!!
そういう経験や刺激から、視野も広がった。
小玉教授:
赤塚さんの既存の価値観に縛られていないことが、良いですね。
新しいモノを生み出せる存在、予想をいい意味で裏切れることが若者は可能。
既存価値観に対して、新しい存在によって世の中を創っていく。
教育政策にも、若者が入ってくる。
そうなれば、大人側から主導権が奪われることに怖さを感じる。
それによる、不安がでるのも事実である。
【活動の障害物】
土肥氏:
学校側から地域活動を縛るような事も多い。
先生に許可証を貰わなければ、地域活動がダメとかあった。
学校全体として見た時に、政治家や政党に引き込まれるんじゃないか??
そういうことを、誤解によって不安視する問題点も挙げられていた。
長野県では、これを解決できる事例があり、
三種協議会という、「地域の方」と「PTA」と「学校の先生」で連携することで、
上手く連携して理解を深めていてる。
赤塚氏:
遊佐町は地域参加するのが、元々積極的な場所である。
こどもの時から、如何にも政治っということに、結びつけるのは厳しい。
自分達のまちについての愛着心や想いがあるが伝える、意見を言える場や手段がない。
当時は選挙権が10代はなく、そういうフラストレーションがあったときに、
少年議会という話をもらった。
ただ、先生の話を聞くだけでなく、
自分達の考えを「話し合う場」・「議論する場」・「聞く場」。
そういう場が必要であった。
田中氏:
アクティブラーニングや新しい大学の入試開発のように、
先に何か『良いモノ』を設定するのでなく、
若者が新しい可能性を常に描き直していき、
それを現実に繋げていく事が時代として求められている。
しかし、学校のシステムが時代に追いついていない。
その為には、必ず若者の力が必要となってきますね。
小玉教授:
学校の先生自体が今は、「教える存在」から「橋渡しの存在」に変わってきている。
山崎さんの言っているような、若者の話を先生が聞いて議論して勧めていく時代になっていくので、
是非、山崎さんには頑張って頂きたいなと思います。
パネルディスカッションでは、地域で実際に活動している最先端の経験者が語ることによって、
実践的なことばかりであり、直ぐにでも、取り入れたいと思うような話ばかりでした。
以上、後編に続く.....